背中合わせ―僕から君に―

背中合わせの温もりが心地いい
手が重なった時や
振り向いた君の僕に向ける満面の笑顔
照れたように言葉を紡ぐ声
無防備に僕に寄りかかる仕草に
本当は すごくドキドキしている
平静を装うのもそろそろ限界?

顔に出さないように努めてみるけれど
ついつい口元がにやけそうになる
ねえ、そんなに安心して重みをかけてこないで
心が変になってしまうよ
背中合わせだけじゃ足りなくなってしまうよ

君の存在が僕を支えている
あの日からずっと
それは変わらぬままで

愛していると伝えたいけれど
その想いは秘めたまま
ずっと傍にいたい
幸せになってほしい
そう願う
誰よりも大切な……

真っ直ぐで熱くて感情豊かな
太陽と夕陽が混ざったような人だと思った
時々眩しすぎて遠く感じることもあるけれど
その赤は 柔らかに僕を包み込む
懐かしいような 少し切なくなるような気持ちになるんだ
秋の夕陽を見た時のように

名を呼ばれることが
こんなにも嬉しいだなんて
あの日からずっと
君は僕を必要としてくれて

君はきっと知らない
君にとっては当たり前の行為が
救いとなっている時があるのを
安らぎとなっていることを

背中は僕に預けて
守り抜くから
君は前を見つめていて
道を見失わないで

あの日からずっと
その手を離さないように、僕は

何よりも大切な……


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